ダブルトップとダブルボトムは、二つの山や谷から、値動きの変化を観察する道具です。形を見つけても、次に下がる、上がると決まるわけではありません。山や谷が二つ並ぶ段階と、間の価格を越えて形が完成する段階を分けることが大切です。この記事では、完成を待つ意味と、完成後にも失敗する道を算数で確かめます。
たとえるなら、坂道を二回上ろうとして、同じ高さで引き返した足跡です。上へ進む力が弱まったのかもしれませんが、休んでからもう一度進む人もいます。二回届かなかった事実だけでは、帰り道を選ぶとまでは言えません。相場でも、形の名前を未来の約束にしないで読みます。
二つの山はM、二つの谷はW
は、上昇の後、近い高さの山が二つできる形です。二つの山の間にある谷の価格を基準にします。と呼ぶこの線を、二つ目の山の後に下回って、初めて下向きの反転パターンの完成を考えます。山が二つ見えるだけなら候補です。
は上下が逆です。下落した後、近い深さの谷が二つでき、その間の山の価格を上回ったら、上向きの反転パターンの完成を考えます。二つの谷の底が、ぴったり同じ価格である必要はありません。ただし、どこまでの差を許すかは観察前に決めます。二つ目の山や谷が一つ目から離れすぎているなら、似た形へ無理に当てはめず、判断を見送ることもできます。
ここでは15分ごとの最後の価格、つまり終値が線を越えたかで確認する練習にします。一瞬だけ越えても終値で戻った場面は、別の記録にします。デューカスコピー・ジャパンの解説も、山谷の間の線を終値で抜けたかを重視しています。公式解説

図1:別々に作った独自の架空価格。15分ごとの終値、単位は円/ドル。白い点は線を抜けた確認時点で、先の方向を保証する印ではありません。
完成を待つと、山のてっぺんでは売れない
架空のドル円が149.90円から上がり、151.00円へ到達したとします。いったん150.40円へ下がり、もう一度150.98円まで上がったら、二つ山の候補です。その時点で150.40円は割っていません。「もう天井だ」と決めると、そのまま151.20円へ上がる道を見落とします。
その後、15分の終値が150.35円となり、150.40円の線を下回ったとします。ここで初めて、今回の判定ルールでは完成です。151.00円という過去の高値で売れたことにはできません。実際に検討するのは、確認した後に提示される価格です。ここには時間と価格の差があります。
線を一度割っても、戻ってくる場合があります。線の近くへ戻るまで待つ方法も考えられますが、必ず戻るとは限りません。「待てば有利」とも決めず、待って取引しなかった場面を含めて記録すると、方法ごとの違いを比較できます。
架空の売り取引で、利益と失敗を並べる
自己資金20万円の練習口座で、完成を確認した後、次の時点の基準価格150.30円で1万ドルを売ると仮定します。FXでは先に売り、後で買い戻す取引もできます。売りでは価格が下がると利益、上がると損失です。取引全体は150万3,000円で、自己資金の約7.52倍に当たります。
同じ日の149.90円で買い戻せた場合、150.30円−149.90円=0.40円。1万ドルなら値幅の利益は4,000円です。往復の費用を仮に200円とすると、手元に残る利益は3,800円になります。反対に150.60円へ戻って終了すると、値幅の損失3,000円に費用が加わり、3,200円の損失です。
計算に使う価格は売値と買値の中間に当たる基準価格で、相当の費用を一往復200円として別に引きます。別途手数料、税金、翌日への持ち越しは含めません。指定どおりの価格で終了できる仮定であり、実際の取引結果を予測した数字ではありません。

図2:同じ入口から分かれる独自の架空経路。15分ごとの基準価格、1万ドル、往復費用200円。確認後にも元の範囲へ戻る道があります。
ここで150.60円は、取引前に決めたの目安です。急変時に成立価格がずれるが起きれば、損失は予定を超えます。形の完成を待つことと、損失を一定額に固定できることは別です。数量を増やす前に、このずれを考えておきます。
この例で1勝1敗なら、3,800円−3,200円=600円です。しかし1勝2敗ならマイナス2,600円。値幅だけでは続けた結果は決まりません。何回勝てるかを図の印象から決めず、見送った場面も含め、同じルールの記録を集めることが必要です。
二つ谷の買いも、同じ順番で考える
ダブルボトムなら、二つ谷の間にある山を上回った後に買いを検討します。例えば149.80円付近の谷が二つあり、間の山が150.40円なら、その上抜けが確認点です。二つ目の149.80円で買ったという都合のよい記録にはしません。
「二回同じ場所で止まったから強い」と言い切るより、何分の価格で、どの線を越えたかを言葉にしてみてください。二つ目の谷が最初より深い場合や、谷の間隔が大きく異なる場合もあります。判断に迷うものは、きれいな例へ無理に分類せず、「未判定」と残せます。
株でもMやWに似た形を観察できます。ただし株を先に売るには信用取引などの仕組みが必要で、費用や条件も異なります。現物株を買う場合と、FXで売りから始める場合を同じ取引と思わず、それぞれの数量と費用で計算し直してください。
実際のケース:GMO外貨の教材を読む
GMO外貨は初心者向けの公式講座で、ダブルトップとダブルボトムを並べ、ネックラインを抜ける動きから観察する方法を説明しています。同講座には2017年6月15日〜7月3日のドル円の日足を使った説明もあります。これは過去の価格による教材上の例です。W字を見つけただけで終わらず、間の山を上抜けたかへ視線を進められる教材です。GMO外貨の講座
これは実在する金融会社の教育事例で、掲載された形を使って誰かが利益を得たという運用実績ではありません。同社の図の価格を、この記事の図へ写してもいません。この記事の150円台の経路と損益は、完成と失敗を同じ入口から比べるために独自に作っています。
教材を読むときは、説明用の完成図を見た後で、自分の画面の先を隠して試してください。完成図なら二つ目の山が最後の山だと分かりますが、その時点では三つ目へ続くかもしれません。あとで分かった結末を、当時の判断材料に混ぜないことが大切です。
まとめ:形の候補と、確認後の行動を分ける
二つの山なら間の谷を下抜けるか、二つの谷なら間の山を上抜けるかを確認します。完成後でも失敗するため、入る価格、取り消す価格、数量、費用まで書いて初めて検討の土台ができます。見た目のMやWだけで結論を出さないようにしましょう。
次は、完成しなかった例も集める
で二つ山・二つ谷の候補を探し、線を抜けなかった例と、抜けた後に戻った例を残してみましょう。比較ページで、過去のチャートの見やすさ、線の描画、最小取引数量、費用の条件を確かめてください。