三尊と逆三尊は、三つの山や谷を使って、値動きの変化を整理する観察の道具です。形が見えたからといって、次の方向や利益は決まりません。右側の山や谷ができることと、ネックラインを抜けて形が完成することを分けて考えます。この記事では、完成を待つ手順と、その後にも失敗する道を、架空のドル円で比べます。
三つの山を、人の肩・頭・肩に見立てると名前を覚えやすくなります。中央がいちばん高く、左右は中央より低い形です。ただ、人の姿に似ているから売れるのではありません。上がる途中で高値を更新した後、次の上昇では更新できなかったという、価格の順番を読むための呼び名です。
三尊は、三つ山と谷の線で考える
は、ヘッド・アンド・ショルダーとも呼ばれます。上昇が続いた後に、左肩となる山、より高い頭、頭より低い右肩ができます。山の間にある二つの谷を結ぶのがです。右肩の後でこの線を下回ったら、下向きの反転パターンの完成を考えます。
ここで「完成」は、名前の条件がそろったという意味です。「これから必ず下がる」という意味ではありません。OANDA証券の専門辞典でも、ネックラインを明確に下抜けた時点を完成として説明しています。右肩らしい山が見えた段階だけでは、まだ候補です。公式辞典
この記事では15分ごとの最後の価格である終値を使い、線の下で終わったかを確認します。これは練習の判定基準で、唯一の正解の設定ではありません。瞬間的に線を下回っても、15分の終値が上へ戻れば、今回の基準では完成に数えません。

図1:独自に作った別々の架空価格。15分ごとの終値、単位は円/ドル。線を抜けた点を確認点として示し、その後の利益を示す図ではありません。
左右が完全に同じ形でなくてもよい
三尊の肩は、必ずしも同じ価格や同じ幅になりません。ネックラインも水平とは限らず、二つの谷を結ぶと傾く場合があります。大切なのは、頭が左右の肩より高いことと、その後どの線をいつ抜けたかです。形を整えるため、谷の位置を後から動かさないようにします。
例えば架空のドル円が、150.20円付近から上がり、左肩151.00円、谷150.40円、頭151.40円、谷150.40円、右肩150.95円と進んだとします。二つの谷が同じ価格なので、この例の首の線は150.40円です。右肩では頭に届いていませんが、この時点で線はまだ割っていません。
右肩の後、15分の終値が150.35円となれば、今回のルールでは完成です。頭の151.40円で売れたことにはできません。そのときは頭が最後の最高値になるか分からなかったからです。確認してから取引を考えると、入口は過去の頂点より低くなります。
架空の売り取引で、同じ入口の二経路を比べる
自己資金20万円の練習口座で、完成の確認後、次の時点の基準価格150.30円で1万ドルを売ると仮定します。後で買い戻す価格が安ければ利益、高ければ損失です。取引全体は150万3,000円で、自己資金の約7.52倍。三つ山が小さく見えても、動かす金額を確認します。
有利な道として、同じ日の149.70円で買い戻せたとしましょう。値幅は150.30円−149.70円=0.60円。1万ドルなら6,000円の利益で、往復費用を仮に200円引くと5,800円です。反対に、線を上へ戻り150.70円で終了する道なら、値幅の損失4,000円と費用200円で、4,200円の損失になります。
ここでの価格は売値と買値の中間に当たる基準価格です。相当の費用を一往復200円として別に引き、二重には計上しません。別途手数料、税金、翌日への持ち越しは含めず、表示した価格で終了できる仮定です。実際の業者の提示条件を再現した数字ではありません。

図2:同じ確認後の入口から分かれる独自の架空例。15分ごとの基準価格、1万ドル、往復費用200円。完成後に線を上へ戻る経路も示しています。
150.70円は、予想を取り消すために先に決めるの目安です。実際には急な値動きでが起き、予定と違う価格で終了する場合があります。4,200円は上限の保証ではありません。価格の図だけで取引量を増やさないようにしましょう。
この条件で1勝2敗なら、5,800円−4,200円×2=マイナス2,600円です。狙う利益が予定損失より大きくても、続けて利益が残るとは決まりません。見つけやすさ、失敗の回数、費用と成立価格のずれが、合計に影響します。勝った形だけで使えるかを判断しないことが大切です。
逆三尊は、谷と確認方向をひっくり返す
は、下落の後に三つの谷ができ、中央が最も深くなる形です。谷の間の二つの山を結ぶ線がネックラインになり、右の谷の後、その線を上回ったら上向きの反転パターンの完成を考えます。買いを検討する方向ですが、上昇を約束しません。
二回目の谷が最も安かったとしても、その安値を見た時点では、もう一段下がる可能性が残っています。「底で買えた」という完成図と、当時できた判断を区別しましょう。右の谷ができても線を上抜けず再び下がるなら、今回の完成条件はそろっていません。
FXと株式では、この形を観察する考え方に共通点があります。ただし株式の売りから始める取引には信用取引など別の仕組みや費用が必要です。FXの1万ドルという数量をそのまま当てはめず、その商品で取引できる単位へ直して損益を計算します。
実際のケース:公式教材の確認順を読む
OANDA証券には、上昇の流れと三尊を組み合わせた取引アイデアの公式教材があります。上昇していた状況を確認し、三尊の候補ができ、その後にネックラインを下回る、という順で検討する例です。単に山を三つ数えるだけの説明ではありません。公式の教材
これは実在する会社が公開した教育上の利用ケースで、実際に利益を得た投資家の成績ではありません。この記事の架空価格や損切り位置を同社が採用したとも確認していません。参考にするのは、先にあった流れと、後から確認する線の突破を区別する手順です。
同社のネックライン解説は、逆三尊では谷の間の二つの山を結ぶと説明しています。三尊の二つの谷とは、材料が逆になります。頭や肩の呼び名に迷ったら、どの二点を線で結ぶかへ戻って確認できます。ネックラインの解説
練習では画面の右側を隠し、二つの山や谷が確認できた時点で線を残します。その後を少しずつ開き、右肩、線の突破、戻りを別々に記録してください。「三尊だと思ったが線を割らなかった」という例も、同じように大事な観察結果です。
まとめ:三つの形より、確認する順番を守る
三尊は中央が高い山、逆三尊は中央が深い谷を持ちます。どちらも右側の山谷だけで完成とせず、ネックラインの突破を確認します。完成後にも元へ戻るため、取り消す価格と費用を含めた損益まで一緒に考えることが必要です。
次は、候補から完成までを一段ずつ見る
で先の価格を隠し、候補、完成、完成後の失敗を分けて記録してみましょう。比較ページでは、線を引く操作、時間幅の変更、過去チャートの表示範囲、最小取引数量と費用を確かめてください。