**1回の予定損失を資金の2%に決めても、実際の損失が2%で止まる保証はありません。**取引数量は、資金、終了までの値幅、費用と価格のずれを組み合わせて考えます。この記事では、金額を先に決めて数量を求め、計画が外れたときの差まで検算します。

「口座にいくらあれば月にいくら稼げるか」と考える前に、同じ値動きでいくら減るかを確認する必要があります。元手だけでは損益は決まりません。数量を増やせば上手になるわけではなく、同じ幅の利益と損失の両方が大きくなります。

最大で買える量と、持てる量は別

は、株なら何株、FXなら何通貨を売買するかという量です。遠足のかばんに入る量と、歩き続けられる重さが違うように、会社が受け付ける最大量と、自分が耐えられる損失は別に考えます。

必要なは取引のための預け金で、最大損失の表示ではありません。が使えて取引金額を大きくできても、同じ値幅での円損益が小さくなることはありません。

まず、運用に使う資金を確定し、そのうち1回でいくら減る計画を置くか決めます。生活費を含む全財産を分母にすると、使える資金より大きな損失を許してしまう場合があります。資金の対象も明記しましょう。

架空の30万円口座で、数量を逆に求める

ここでは資金30万円、1回の予定損失の目安を2%の6,000円とします。2%は説明用に選んだ数字です。読者に適切な割合だと勧めているわけではありません。

架空のポンド円を190.00円で買い、189.25円を終了の基準とするなら、1ポンド当たりの差は0.75円。費用と価格のずれを除く計算では、6,000円を0.75円で割った8,000ポンドが数量の目安になります。

架空の30万円口座で2パーセント6000円から、損失値幅0.75円と1.50円に応じ8000ポンド4000ポンドを求める図

図1:独自の架空例。資金30万円×2%=6,000円。終了まで0.75円なら8,000ポンド、1.50円なら4,000ポンド。費用前で予定価格どおりに成立する仮定です。

終了の基準を188.50円へ遠ざけると、差は1.50円です。同じ6,000円なら数量は4,000ポンド。8,000ポンドのままなら1万2,000円、資金の4%です。価格を遠ざけたあとも同じ2%ルールだと言うことはできません。

終了価格は、数量を大きくするためだけに近くへ置けばよいわけでもありません。普通の小さな上下で終了しやすくなる場合があります。何をもって読みが外れたとするかを先に考え、その幅と資金から数量を調整します。

費用と不利なずれを、計算のどこへ入れたか

実際には、手数料、買値と売値の差、保有中の費用があり、予定した価格と成立価格がずれるもあります。すべてを同じ欄へ足すと、同じ費用を二度数えることがあるため、前提を分けます。

この例の0.75円は、想定する成立買値と成立売値の差です。そこにすでに含まれるスプレッドは、追加しません。まだ入れていない手数料と不利な価格ずれを合わせて1ポンド当たり0.05円相当と仮定すると、合計の負担幅は0.80円になります。

未計上の追加負担を含む0.80円幅で7000ポンド5600円と8000ポンド6400円を比較する図

図2:架空の追加条件で0.75円+未計上の費用・ずれ0.05円=0.80円。7,000ポンドは5,600円、8,000ポンドは6,400円。0.05円は実際の料金やずれの上限ではありません。

この場合、計算上は7,500ポンドで6,000円ですが、1,000ポンド単位の会社を仮定すれば7,000ポンドへ切り下げます。8,000へ切り上げると6,400円となり、先に決めた金額を超えます。注文単位の制約も数量計算の一部です。

ただし、0.05円という仮定より不利にずれる場合があります。相場が飛んだり注文が集中したりすれば、終了の基準へ触れてもその値で成立しないことがあります。予定6,000円は最大損失を確約する線ではありません。

ロットと通貨の数字を、必ず対応させる

ロットは数量をまとめる呼び方です。1ロットが1,000通貨か1万通貨かなどは商品や会社で異なります。「0.8ロット」という表示だけでは、何ポンドを持つかが確定しません。

仮に1ロット1万ポンドなら0.8ロットは8,000ポンド。1ロット1,000ポンドなら同じ表示で800ポンドです。呼び方が同じでも量は10倍違います。注文画面では通貨数と想定損益を照合します。

また、数量の計算結果が最小単位より小さければ、無理に増やして取引しなくても大丈夫です。別の数量単位を使える口座を調べるか、売買を見送る選択があります。小さい資金なら必ず大きい倍率が必要、とは考えません。

一つの割合で、口座全体の安全は決まらない

同時に二つの取引を持ち、それぞれ6,000円の予定損失なら合計1万2,000円です。別の通貨でも、同じニュースで一緒に動くことがあります。取引ごとの割合と、同時に抱える合計を別に記録します。

資金が減った後に割合を計算し直す場合、目安の円額も小さくなります。30万円が27万円になれば、2%は5,400円です。いつまでも6,000円と固定すると、同じ割合の条件ではなくなります。

反対に、増えた直後に数量を増やしてよいとも限りません。過去の利益は将来の勝ちやすさを保証しません。割合、最低単位、同時保有、確認できる時間を含め、自分が続けられる条件を考える必要があります。

実際のケース:CMEが「任意」と説明する2%

CME Groupの公式教材には、資金の2%を1回の予定損失の目安とする例があります。同時に、2%という境目は任意に選ぶもので、もっと厳しくも緩くもできるとしています。

CIBC Investor’s Edgeの公式教材も、資金全体、持つ金額、終了までの幅を組み合わせた例を示しています。数量だけ、割合だけを独立に見ない考え方を学べる実在の教材です。

これはどの会社の利用者にも共通する収益実績ではありません。2%なら破産を防げる、数量を守れば勝てる、という保証へ広げることはできません。本記事の30万円とポンド円は独自の架空例です。

予定と実際の差は、次の記録へ回す

終えた取引は、計画した数量、予定損失、実際の成立価格、すべての費用、最終損益を残します。数字がずれた場合、数量の入力違いか、追加費用か、価格のずれかを分ければ見直せます。

大きな損失が出た直後に、取り戻すため数量を増やすと、事前の割合の考え方を崩します。まず、その日の新しい取引をどう扱うかを含めて、自分の決めた条件へ戻ることが必要です。

まとめ:割合は、数量を考える入口

予定損失の円額を値幅で割り、費用、ずれ、注文単位を入れて数量を確かめます。2%も証拠金も実際損失の上限を保証せず、同時保有の合計も別に見ることが基本です。利益の目標から数量だけを逆算しないようにしましょう。

次は、自分の口座の最小単位で計算しよう

ロットと通貨数、追加費用、終了注文の条件を確認してください。仮の開始価格と終了価格で予定損失を計算し、幅を2倍、数量を半分にした場合も比べます。実際に発注する必要はありません。

口座を選ぶ人は、最小数量、費用の説明、注文前の確認画面を口座の比較で調べましょう。FXでは預けた額を超える損失もあります。まず自分の単位で、利益と損失が同時に変わることを確かめる練習です。