ストキャスティクスは、最近の高値と安値の間で、終値がどこにあるかを0〜100で示す指標です。80を超えても、次に下がる確率が80%という意味ではありません。 この記事では、元になる位置の計算、2本の線の違い、設定をそろえて読む方法が分かります。最後に、過去の足で数字を確かめてみましょう。
値札の高さだけでは、今の値段が最近の動きの上のほうなのか分かりません。同じ階段のいちばん下を0、いちばん上を100とするように、見ている範囲の中での位置へ直すのが、理解の入口です。
高値と安値の間に、終値を置いてみる
高値は、その期間で最も高かった価格。安値は最も低かった価格。終値は一本の足が終わったときの価格です。まずは、14本分の高値・安値を調べ、最新の終値の位置を考えます。
架空の株で、14本の中の最高値が120円、最安値が100円、今の終値が115円だったとします。全体の幅は20円。下端100円から終値までの距離は15円です。15÷20×100=75。終値が、下から見て範囲の75%の位置にあると読めます。

図1:FXチャートラボ作成。架空の株価の位置関係です。まだ平均でならしていない元の値を説明しています。
これは75円でも、75%の値上がりでもありません。終値が110円なら50、104円なら20です。考え方はローソク足の四つの価格とつながります。高値・安値を、終値だけの最大・最小と取り違えないようにしましょう。
同じ75でも、値幅が同じとは限りません。最安値100円・最高値140円・終値130円なら、30÷40×100で、やはり75です。図1の全体20円に対し、こちらは40円の幅を使っています。位置を0〜100へそろえると、実際の円の幅は見えなくなります。
そのため、「数字が同じだから同じ数量で安心」とは言えません。取引する量は、開始と終了の価格差を使って別に計算します。具体的な逆算は取引数量の決め方で確認できます。
%Kと%Dは、何が違う?
画面には、一般に「%K」と「%D」の2本が出ます。まず、先ほどの位置の計算を、そのまま使う速い方式を考えます。この場合、%Kが元の値で、%Dは%Kを何本か平均した線です。FidelityのFast Stochasticの説明も、この関係を紹介しています。
例えば、%Kが順に50、75、100なら、3本の単純なは75です。線をならすと、一回の大きな変化に反応しすぎるのを抑えられます。その分、動きへの反応が遅れる場合もあります。
ただし、同じ名前の指標でも、%K自体を先に平均する方式があります。「14・3」と見えたから全て同じとは限りません。高値・安値を探す本数、%Kのならし方、%Dの平均を作る本数を分けて読みます。
最初から式を全部覚える必要はありません。「位置の元の値」「それをならした線」「さらに平均した線」のどこを表示しているかが分かれば、手計算と違う理由を探しやすくなります。図1の75と、画面のならした%Kが違っても、すぐに計算ミスと決めないようにします。
価格が変わらなくても、数字は変わる
ストキャスティクスの物差しは、固定ではありません。新しい足が増えると、古い足が14本の範囲から外れます。その結果、最高値や最安値が変わることがあります。
例えば、最安値100円・最高値120円・終値110円なら、元の値は50です。その後、古い120円の高値が範囲から外れ、最高値が115円になったとします。最安値100円、終値110円は同じでも、10÷15×100で約66.7になります。

図2:架空の14本の範囲が一つ移る例です。ならす前の値を比較。古い高値が外れる以外の条件は本文の通りで、実際の相場ではありません。
数字が上がったから、今の終値も必ず上がった、とまでは言えません。線だけを切り抜かず、価格と高値・安値の範囲も並べます。範囲の高値と安値が同じなら、この割り算はできないため、その場合の扱いはツールの説明や表示を確かめます。
20と80を、売買の命令にしない
よく使われる目安に20と80があります。高い側を買われ過ぎ、低い側を売られ過ぎと呼びますが、企業の価値から見た割高・割安の判定ではありません。最近の範囲で、終値が端に近いことを考える入口です。
強い上昇では、高い位置に終値が続く場合があります。80を超えたから売っても、その後さらに上がれば損失になります。下落でも、20より低い状態からさらに下がることがあります。TradingViewの公式解説も、買われ過ぎ・売られ過ぎが必ず反転を示すわけではないと説明しています。
2本の線の交差も、判断の材料の一つです。交差は、位置の変化と平均の関係から生まれます。いつでも同じ利益が出る合図ではなく、交差した後に戻る場合や、何度も交差する場合も調べます。
実際のケース:TradingViewの三つの設定
TradingViewの公式仕様では、Kの期間は14、Dの期間は3、Kをさらに平均するSmoothは3が初期値です。Smoothを1にすると、その追加の平均を使わない仕様が示されています。図1のような元の値を比べたいときに、確認したい設定です。
これは特定の設定で利益が出たという運用実績ではなく、実在する道具の計算仕様の例です。MetaTrader 4の公式ヘルプにも、%Kの期間、ならす期間、%Dの期間や方式が分けて説明されています。画面が違う場合は、数字だけでなく設定の意味までそろえます。
また、14期間は常に14日ではありません。日足なら14本の日足、1時間足なら14本の1時間足を使います。進行中の足では終値に相当する現在価格や高値・安値が変わるため、最初の手計算は確定した足で行うと確認しやすくなります。
も0〜100で表しますが、上げ幅と下げ幅を比べる別の指標です。数字の見た目が似ていても、何を材料にするかが違います。同じ50だから同じ相場を表している、と置き換えないことが大切です。
利益を考えるなら、数量と費用も書く
別の架空例で、ユーロ/円を1,000通貨買い、費用前の共通の基準価格で0.20円有利に動いて終えたとします。利益は200円。逆へ0.20円動けば損失は200円です。往復費用を仮に10円とすると、差引きはプラス190円とマイナス210円になります。税金は除きます。
実際の買値と売値で損益を計算する場合、すでに価格差へ含まれるをもう一度引かないようにします。価格のずれで予定より損失が増えることもあり、FXでは預けたお金を超える損失もあり得ます。指標の数字と、自分のお金の計画は別々に確認します。
まとめ:端にいる理由を、範囲まで戻って読む
ストキャスティクスは、期間内の高値・安値に対する終値の位置を整理するもの。元の値と、ならした%K・%Dを分け、20や80を確率や売買の命令にしないことが基本です。
次は、一本の足で元の値を確かめよう
注文せず、同じ銘柄・時間足で14本の最高値と最安値、最後の終値をメモしましょう。位置を計算し、表示が違ったらならす設定を調べます。口座がない人は口座・ツールの比較で、指標の表示、設定変更、練習環境と費用を確認してみてください。